嗚呼、こんな時こそ、誰かに縋っていないとどうしようもなく不安だ。 「ばあちゃん亡くなったんだよね。」 彼からの電話は突然の訃報だった。 赤の他人だ。 彼の祖母も、彼の家族も、彼自身でさえ。 なのに何故だか、その声を聴いた途端にあまりに寂しくなっ…
春だからか、非常にメランコリーな気分が続いている。 吹く風は冷たい。 花冷えの気配さえ、遠ざけているようだ。 美しければ良いとは限らないか。 清廉潔白であるが故の汚さも有るのではないか。 饐えた匂ひのする薄暗い路地裏に蔓延る色程に、美しいものは…
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