ロックと着物、情熱と青。

ヒカリシオコシ。着物好きのロック教。

曇天日和。

 

霜月十四日

 

髪を染めた。なん年ぶりのブリーチだったろう。

がっつり色を抜いて、アッシュにした。

 

今まで、赤やら紫やらを色々入れてきたが、

ここまでハイトーンを入れたのは学生以来初めてだ。

 

担当してくれた美容師さんに何度か聞かれた。

 

“職場は大丈夫ですか⁇”

 

私は何度も答えた。

 

“大丈夫です。”と。

 

でもまあ、普通は駄目なんだろうなあとも思いながら。

駄目、というよりか、やらないだろう。

 

世間体そのものを気にする人もいるだろうが、本当は明るい色にしたいけど会社でなんて言われるかわからない。怒られたくない。同僚や先輩の目が怖い…

 

色んな理由がある。

それはひとえに、髪を染める話に限らず。

選ばない理由は、自分を守る術であり、自分を殺す術でもある。

 

入社したての頃、教育係の人に言われた。

 

“メイクが濃いです。会社ではナチュラルに。

風紀を乱さず、節度ある格好を。”

 

 

 

もちろん大事なことだと思う。

いや、嘘。

私にとって大事ではない。

そんなことは、別段、どうでもいい。

 

けれども、言ってることは、理解る。

 

だけども私は、自分を殺せない。

 

理由はただ一つ、私は私だから。

 

個性という、ワガママと紙一重でもある。

 

だけど、自分を殺してまで自分の個性を我慢してまで、会社になどすがりたくない。

 

無論、私は会社の為に働いてるのではない。

 

私の信念は、誰の為でもなく、自分の為に生きることだ。

 

誰の為にも選ばず、誰の為にも働かない。

誰にも操られることなく。

 

 

 

札幌にDr.NYというバンドがいる。

直球どストレート。

3ピースのパンクロックバンドだ。

彼等の曲に、ニワトリ人間というのがある。

是非聞いてみてほしい。

私はこの曲が大好きなのだが、

歌詞が印象的。

 

“僕が君の操り人形だったら楽なのに”

 

そう、人形だったら楽なんだ。

中島みゆきの歌にもある。

 

“人形みたいでもいいよな。笑えるやつはいいよな”(狼になりたい)

 

皆んなそれぞれ色々ある。

人形であれば、何を思うこともなく、それでも風紀の中に身を置いて、流れに逆らう事もなく、生きられたら、まだ楽だろう。

 

疎まれる事もなく、陰口を言われる事もなく。

 

それでも私は、人形になんかなりたくない。

誰にも操られたくない。

私は、私でありたい。

例え借り物の身体でも、この命尽きるまで、“自分”という人間を全うしたい。

誰の為でもなく、自分の為に。

 

そんな風に25歳を迎えた、霜月曇天のある日のことだった。

 

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最後にフクロウと私🐧